当初の予定では,尾瀬戸倉温泉に行くルート上のどこかで立ち寄り温泉に入るつもりだった。しかし,幸いなことに,関越自動車道の沼田ICに着くのが予想よりも2時間ほど早くなりそうだ。それならばネット上でお付き合いのある里山写真家のエコファーマーさんのところに寄ってみたいと思った。里山の素敵な写真を拝見していつも感動していた。山里の棚田のある風景を自分なりに想像していたが,近くまで来たのだからできることならばこの目で見てみたい。寄り道をする時間があるとは思ってもいなかったので,エコファーマーさんの住所も電話番号も分からない。実は,私の出発と入れ違いにエコファーマーさんが電話番号を記したメールをくれていたが,そんなことは露知らず,記憶にあった「中之条」という地名と「よしだ農園」の名前だけで無謀にも探し当てようというのだ。
ところが,車を走らせているとネット上で拝見したような雰囲気の風景が車窓から見える。棚田の向こうに見える山の形に見覚えがあるような気がする。さらに走ると,見知った風景とは雰囲気が異なってくる。すぐに引き返すと,近くに農協があった。そこで尋ねてみる。運良く情報が得られた。やはり通り過ぎてしまったようだ。大体の場所が分かったので,その場所まで引き返す。すると,先ほど見覚えがあると思った辺りだった。山道を上ってみる。行き止まりになりそうなので引き返す。近くの住人に尋ねるのが一番と考え,近くの家の入り口にいた初老の男性に声をかける。すると,今引き返したばかりの山道沿いの一軒だと分かる。
初対面の挨拶もそこそこに,付近を案内してもらうことになる。アサギマダラが乱舞するフジバカマの畑や棚田,そして農園周辺と急ぎ足で見て回る。豊かな自然が残るどこか懐かしささえ覚える里山だった。
私はネット上の知人と現実の世界で会うというのは初めてのことだが,こういうことはそれほど多くあることではないので,貴重な経験になるだろう。
参考:
エコファーマーさんのサイト:家のまわりの生き物たち |